小島氏が明かす思いの丈

小島秀夫氏にとって2015年は波乱の年であった。

5年以上の開発期間を経て今年9月に発売を迎えた『メタルギアソリッド V』は世界中で高く評価され大きな売り上げを記録したが、その創造には大きな困難が伴っていた。3月中旬、ゲームのパブリッシャーであるKONAMIはウェブサイトとゲームパッケージから小島の名と彼のプロダクションの表記を削除し、それと同時期には小島氏がKONAMIを退社するつもりであるとの噂が流れもしていた。

噂は現実となり、独立を果たし新たな一歩を歩み始めた小島氏が海外大手メディアThe New Yorkerのインタビューに対し、自身の考えを語っている。

「もし目先の利益だけを追い求めれば、時代に取り残されるだろう」

「今やゲームは単純なおもちゃを超えて、ドラマやそういったもっと深いものを伝えることのできる成熟した媒体へと成長した」と小島氏は語る。ハイエンドな作品を作るための唯一の方法は世界市場を目指すことしかない、そう語りつつも小島氏はそういった世界を狙うプロジェクトを支えるためには「鋭い感覚を持ち危険を冒すことのできる経営陣が必要だ」とした。

ハイエンドな作品を目指す小島氏の言葉は、最近多額の予算を必要とするゲームから低コストでハイリターンを見込めるモバイルゲームへ舵を切ったKONAMIと明確に意見が食い違ったことを示している。意見の相違が今回の小島氏のKONAMI退職へと繋がったことは想像に難くない。

「もし目先の利益だけを追い求めれば、時代に取り残されるだろう。そして二度と追いつくことはできない」と小島氏は言う。

「私がこの世で果たすべき役割とは大作を作り続けていくこと」

小島氏にとって思い描く理想を追い求めるには束縛を振り切ることが必要だったようだ。「大企業(特に日本企業)で何かをする時、あらゆる些細なことでも前もって承認を得る必要があった。独立した現在、私はやりたいことをより速く取りかかることができるようになった。プレゼンテーションのために無駄な時間を割くことも必要ない」

いまや小島氏は思いの丈を自由に発信することができる。「企業に勤めていた時、例え私の個人的な発言であってもそれは会社全体の方針だと見なされてしまうため、私は何も言うことができなかった」

「私がこの世で果たすべき役割とは大作を作り続けていくことだ、それが私の人生に与えられたミッションだ」

最後に小島氏は語った。

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