華々しい Steam 市場とインディーの苦境
PUBG や中国勢の台頭が目立った 2017 年の Steam 市場について、統計的なレポートが公開された。
Steam 統計サービス Steam Spy は、2018 年 2 月時点での収集データを用いたSteam 統計情報のレポートを公開している。この収集データは Steam 公式ではないためあくまでも参考値であることに留意したい。
Steam の収益は過去最高
2017 年に Steam は売上 43 億ドルを達成した。前年の 35 億ドルからさらに成長したことが分かる。この数字には F2P タイトルやゲーム内課金、DLC が含まれておらず実際にはさらに売上は増加している。
ゲームの発売数も過去最高であり、現在 Steam では 21,406 作品が販売されているが 2017 年に発売されたのはそのうち 7,696 作品である。
プレイヤー数も過去最高
少なくとも 2017 年に 1 度でもゲームをプレイしたユーザー数は 2 億 9 千万人。このうち 2017 年に新規登録されたのは 22%。新たなユーザーを増やしながら定着もさせていることが見て取れる。
また、新規プレイヤーの分布は中国やフィリピンを始めに発展途上国からの流入が増加し大部分を占めているという。
Steam の統計情報によれば中国語圏のユーザーが全体の 64%。英語圏は 18%と既に中国が Steam にとって大きな影響力を持っていることが分かる。Steam は香港でのみ運営されており、正式には中国ではサービスを行っていないが、この記録となっている。
上位 0.5%が売上の 50%を占める
活況さを見せる Steam 市場だが、その実態は勝者総取りと言えるものとなっている。
上位 100 作品、全体の 0.5%の作品の売上が全体の 50%を占めている。
販売数と価格の低下
メジャータイトルとなれなかった作品は例年よりも売れにくくなってきている。年間の発売タイトル数が増え続けているのだから当たり前だが、インディーデベロッパーには淘汰の時期が訪れている。
Steam のゲーム全体の所有者数の中央値は 9,500 人。そしてインディー作品に限定すると 5,000 人。さらに 2017 年に発売したインディー作品に限定すると 1,500 人となっている。3 年前は中央値は 3,200 人であった。
ゲームの中央値価格は Steam 全体で 5.99 ドル。インディー作品の中央値は 3.99 ドル。2017 年発売のインディー作品の中央値は 2.99 ドル。限りなく安くコスト競争は激化している。
2014 年に「我々のゲームを全て購入してくれてもコーヒーすら買えない」とデベロッパーは悲鳴を上げていたが、そこから状況はさらに悪くなっていっているようだ。
2017 年発売のゲームの価格の分布図を見ると、9.99 ドルが最も多い。
しかし売り上げを最も記録しているのは 29.99 ドルを中心とした高価格作品となっている。