Steam にて日本版を発売しない理由
近年、多くの日本のゲーム会社が PC 市場に進出し、海外向けにローカライズされた作品が多く販売されるようになってきている。
しかし一方で、日本向けに PC 版が発売されないなど、海外向けローカライズの際にオリジナルの日本語音声が削除されるケースが多く、日本の PC ユーザーやオリジナルの雰囲気のままプレイしたい海外ユーザーなどが不満を抱えていることも少なくない。
「なぜ日本のメーカーは海外向けに PC 版を発売する際に日本語版も同時に出さないのか」
その質問にイースシリーズ、英雄伝説シリーズなどで有名な日本のゲーム会社「日本ファルコム」の公式 Twitter が答えた。
「STEAM PC版 Ys Origin」
— 日本ファルコム (@nihonfalcom) January 11, 2015
英語版のイース・オリジンが昨年末でついに累計20万本突破!http://t.co/pClBNhHUAt pic.twitter.com/Lzot0nndDw
残念ながら単純に売れないからです。多分同じものを日本で出しても100分の1の2千本売るのも簡単ではありません RT @tani4096: @nihonfalcom なぜ国内メーカーは日本語版を出さないのでしょうかね
— 日本ファルコム (@nihonfalcom) January 12, 2015
「単純に売れないから」と答えた日本ファルコム
日本ファルコムは PC 向けに日本語版を販売しない理由を「単純に売れないから」と答えている。
直前に同社の公式 Twitter では、Steam にて販売されている英語版『イース・オリジン』が販売が累計 20 万本を突破したことを明かしており、日本語版を Steam で販売したとしても、日本では 2 千本の販売すら難しいだろうと理由を述べた。
この説明に対してゲーマーたちからは「日本語を『わざわざ削除』する理由にはなっていない」や「なんでわざわざ日本語を消すんでしょう? 海外版と日本語版ではプログラムが根本から違うんでしょうか?」など、批判的な意見が並んでいる。
わざわざ日本語を抜く対応は海外からも不評
現在 Steam にて販売されている同社、日本ファルコムのすべての作品からはオリジナル版には含まれていた日本語テキスト、日本語音声が全て削除されており、Steam 上のフォーラムではオリジナルの日本語音声でプレイできることを期待していた海外ユーザーからの不満の声が散見される状態だ。
『英雄伝説 VI 空の軌跡』のフォーラムでは海外ゲーマーの一人が投稿した「なぜ日本語音声が削除されているのか、オリジナルのまま販売することは難しくないはず」というスレッドに賛同の声が集まり炎上したことは記憶に新しい。
海外ローカライザーからの回答は
この炎上したスレッドに海外向けの移植を担当した開発スタジオが直接回答し説明した内容によれば、当初は日本語音声を含んだ海外版としてリリースを試みていたが、ライセンスなど様々な事情により、日本語音声を含めることが許可されなかったという。
企業が日本ユーザーからのアクセスを遮断しゲームを販売しない「おま国」問題や、日本ユーザーにだけ高額な価格設定で販売を行う「おま値」問題、当初含まれていた日本語言語を削除し、別売りで販売する言語 DLC 問題など、PC ゲーム市場ではさまざまな問題が起きている。
今回、日本ファルコムが語った日本語版 PC 版を販売しない理由はユーザーの疑問を解消できただろうか?今後このような問題がどう推移していくか、PC ゲーマーとして目が離せない話題となるだろう。
わざわざ入ってた日本語を抜いたり日本人お断りで海外にだけ格安で売っていつまでも日本には定価で売り続けるゲームと海外製だけど日本語も対応させたしセールで安くもなるよ!ってゲーム、どっちを買うかって言ったらねぇ?日本のゲームがその悪条件を受け入れてまで欲しくなる程のものでもないし。
— でっどぴーぷる (@minabetetumi) January 12, 2015