やっぱり米国はヒャッハーがお好き
Steam に関する膨大なビッグデータに対し、データマイニングを行った結果が公表されて話題を呼んでいる。
このレポートを発表したのは Steam 上の大量のデータを解析しまとめているツール「Steam Spy」の開発者として知られるSergey Galyonkin氏。ランダムに抽出したユーザーの情報から調査したもので、完全な Steam 全体の俯瞰ではないが、ユーザーの特徴と傾向を分析するには必要十分とのこと。
各国住人の好きなゲーム傾向
世界中それぞれの地域でどのような地域ではどんなジャンルのゲームが好まれているのか。今回の調査の結果、例えば「アメリカに住む人々は銃をぶっ放すヒャッハーなゲームが好きそう」など、ステレオタイプ的に思い描く傾向は大体正しかったという。
アメリカ合衆国
アメリカはおよそ 2250 万人の Steam ユーザー(Steam 全体の 18%相当)を抱えており、最も大多数を占める国であるが、そんなアメリカは多くの人々のイメージ通りに『Borderlands 2』や『Grand Theft Auto V』といったシューターゲームとオープンワールドゲームを愛している国だったとのこと。
ロシア
長年海賊行為で悪名高かったロシア。依然として多くのロシア人ゲーマー達による海賊行為が行われているものの、Steam ユーザーの 11%に相当する 1360 万人のユーザーをロシアは抱えている。ロシアが占める売り上げのシェア率は 1.7%から 6%程度。
国民性としては彼らはマルチプレイヤーゲームを好み、多くのゲームにおいてマルチプレイヤーモードに占めるロシア人ユーザーの割合は 15%だという。特に第二次世界大戦や終末世界を扱った作品を好む傾向があるが、それ以外の部分については典型的な欧米ゲーマーと変わりないとのこと。
ドイツ
どこか職人気質なイメージのあるドイツだが、やはりドイツではシミュレーター作品が人気という結果となり、『Farming Simulator』や『Cities: Skylines』といった怪しいシミュレーターから都市建設シミュレーションなど、とにかくシミュレーション作品が好きとみられる。
またドイツは Steam 上でアクティブユーザー率が特に高い国であり、2009 年以降から存在するアカウントのおよそ 92%がアクティブだとのこと。
イギリス
約 510 万人のゲーマーを抱えるイギリスは、ユーザー規模こそ多くはないものの圧倒的な存在感を放っている。平均 734 時間のプレイ時間とゲーム所有数 41 本という結果は、欧州の平均的なゲーマーの 2 倍、Steam ユーザー全体と比べると 4 倍である。
イギリス国民は最も遊び、最も支払い、最もフットボールを愛しているようだ。
中国
中国は世界で最も海賊行為に手を染めている国であり、平均 6 本のゲームを所有しているがそれらは基本無料ゲームであることが多い。
依然として海賊国家として名高い国ではあるものの、ロシアと同じく徐々に対価を支払う国へと変貌を遂げつつあるとの結果も判明している。中国版『Grand Theft Auto V』では、他国に比べ大幅に価格を引き下げ販売が開始されたが、その結果 225,000 本以上が中国から購入され、675 万ドル以上の利益を Steam 上だけでもたらしたとのこと。
しかし国民性としては中国人は基本的にはゲームを購入せず基本無料ゲームを好むといい、基本無料の作品以外で彼らから利益を得るためには強いマルチプレイヤーモードの魅力を備えた作品が必要だと解説されている。
日本
日本のゲーム市場において、PC ゲーム市場は非常にニッチな市場と考えられているがそれは正しい。日本から接続する Steam ユーザーの割合は 1%と非常に少数である。しかしそこにゾンビゲームを出してみると興味深い動きが起きるという。
ゾンビゲームを目にした途端、日本のゲーマーは存在感を示しだし、例えローカライズがなされていなくともゾンビゲームに占める日本人ユーザーの割合は 4.5%となり、ゾンビ大好きな傾向があると指摘されている。
「ゾンビゲームはアメリカの大好物」、そんな風に思っているゲーマーは少なくないだろうが、いざビッグデータを解析してみると日本の大好物という結果に。自らのライブラリを見返してみるとゾンビゲームを大量に所有していたりしないだろうか。
他にもさまざまな Steam 上の統計情報を探している方は「Steam Spy」を閲覧してみると有益な情報が得られるかも知れない。