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イギリスのゲーム雑誌games™にて「なぜ最近のゲームは簡略化され 難しい ということがなくなりつつあるのか」というコラムが掲載されていたので紹介したい。

単純化、カジュアル化していくゲームたち

昨今のゲームはカジュアル化している。プレイ時間は余りにも短く、また、最高難易度でさえ簡単にクリアできてしまう。どう考えても倒せないボス。明らかに進めないステージ、そんなハードコアな体験はゲームから失われてしまった

『Dishonored』『Tomb Raider』『Watch Dogs』『Hitman: Absolution』『Thief』『The Last Of Us』、『Deus Ex: Human Revolution』『Batman: Arkham シリーズ』。これらのヒット作品の共通点が 2 つある。メタスコアが良いこと。そして重要なアイテム、ステージの進行方向が ハイライト されていることだ。

重要なアイテムを見逃してしまうことはないし、ステージにも迷わない。一見すると悪いことのようには思えないが、本当にそうだろうか?

昔を思い出してみよう。あなたは必要なアイテム、ギミックを探して、マップの隅から隅までを X , A を押しながら歩き回った。そういう体験を通して、ゲーム開発者の意図や思いを全身で味わってきた。

しかし、最近のゲームはどうか。以前のように歩き回る必要は無い。”ハイライトボタン”を押せば次の部屋も重要なアイテムの場所もゲームが教えてくれる。あなたに必要なものは既に画面に表示されているのだ。

もちろん、このハイライト機能を好ましく思っているユーザーがいることは理解できる。だが、やたらとカットシーンがはさまれたり、勝手にプレイヤーキャラクターを操作されたり、進むために特定の行動をしなくてはいけなかったりするのはゲームの没入間、リアルさを大きく損なうだろう。

なぜか?答えるまでも無い。現実世界でドアは光らないし、勝手にからだが動いたりもしない!もしゲームに自動でアイテムをハイライトする機能があるなら、せめてそれをオフにする機能をつけるべきだ!ボタン一つで何でもやってくれるゲームが余りにも多すぎる。

その点、『Thief』、『METAL GEAR SOLID V』はなかなか良かった。最も不自由なゲーム栄光の第一位に輝くバットマンと違い、行動に自由があり、敵を倒すために暴力より知性が必要だった。

ただ、ゲーム会社がすべて悪いかというと、そういうわけでもない。ゲームの売り上げに影響するメタスコアの存在もこの傾向の流行に一役買っているのは間違いない。ゲーム進行につまづく事のないこの機能は好意的に受け取られるし、点数もおのずと高くなるからだ。

そして、間違いなく言えるのは、昔と比べてゲームは操作が格段に複雑になったということだ。マリオの時代はシンプルだった。A でジャンプ。B でダッシュ。後は十字キーがあって、進行方向は全部右か左。それに比べて今のゲームは・・・説明するのも億劫になる。

『Batman』のような全自動ボタン押しゲームがあれば、『Dark Souls』のような暴力的に難しいゲームも存在する。努力とそれに対する報酬のバランスは、ユーザーごとに求める値が違う。進行につまったら行き先を表示してもらいたい人間も存在する。

全てのゲームにそうしろとは言わない。だが、これから先、仮想現実が実用化し、VR ゲームを開発する事になった際にこの過剰なガイド、ハイライトは間違いなく障害になるだろう。私達は自分自身の意志で肉体をコントロールし、現実世界に生きている。ゲームもそれに即する必要がある。

もう少しゲームはプレイヤーにコントロールさせるべきだ。