『Narcissu 1st & 2nd』

人気ゲームクリエイター・片岡とも氏が綴るノベルゲームナルキッソスが Steam にて無料配信を開始した。本作は「ホスピスを舞台に『死』から学ぶ『生』をテーマ」にした作品で、全世界で 100 万以上のダウンロードを記録した大ヒット同人ゲームとなっている。

siro氏の紹介では「死に対する心情を淡々と綴った作品です」となっており、いつかは自分や親しい者たちも遅かれ早かれ死ぬとわかっていながらも、あえてそれに気づかないふりをしている私たちの心の奥底を、さっくりと細いナイフで突き刺してくると語っている。

「……ただ、生命の尽きる場所」。ある冬の日に阿東優が入院した「7F」は、そういう場所だった。そのことを彼に告げたのは、長い黒髪を持つ同じ入院患者の美少女。

名前はセツミ、血液型O――手首の白い腕輪に書かれていたのは、ただそれだけ。

最期の時を迎えるのは、自宅か7Fか。いずれの選択肢をも拒み、ふたりは優の父親の車を奪って走り出す。行き先も、未来さえも持たないままに――。

作品紹介

Amazon による紹介は「余命わずかなヒロインと一緒に『死』と向き合う主人公の心理と成長を描いた本作は、改めて生きることへの意味を考えさせられる」となっていて、BCC のレビューでは「自らの意志で自分の最後をどうするかを決め、死ぬ時となって初めて一人の人間として生きたという実感を感じることとなったのだろう」としている。

39 のレビューは「欝な作品が苦手な方などにはおすすめしませんが一度読む価値は十分にある」で、アルジャーノンの評価は「クリックする度に彼女達の命の灯火は少しずつ本当に少しずつ小さくなります。希望はありません」となっていて、命が尽きると言われて希望を捨てきったセツミが望む、小さな願いはどのようなことなのか。そんな部分を見てほしいとしている。

七夕氏のコメントは「泣ける作品なのかも知れませんが自分は感動したと言うより読後は虚脱感が襲いました」で、カササギのコメントでも「この作品の読後感はたくさんの人に感じて欲しい」としていて、「自分が彼のそして彼女の立場であったらどうしただろうと考えずにはいられません」となっている。

日本語音声・字幕共にあり、音声なしの字幕のみの選択も可。背景素材のみが主体で挿絵などはほとんどありません。