リニアなゲームは市場での人気を失った

Electronic Arts は先日『Dead Space』開発元のVisceral Games を閉鎖したが、その理由について同社の CFO が説明している。

アリゾナ州で開催された Credit Suisse 21th Annual Technology にて、カンファレンスに登壇した Electronic Arts の CFO である Blake Jorgensen はリニアなゲームが市場での人気を失ったためだとしている。

リニアなゲームとは、決められたストーリーやミッションの進行を強制する直線的(リニア)なゲームプレイを採用した作品を指す。対義語的にオープンワールド、ノンリニアなゲームが存在する。

DualShockersによれば Visceral Games は直近 6 年ほどで徐々にその規模を縮小しており、Electronic Arts の事業においてサブスケールとされる 80 人を割り込む程であったという。

Visceral Games はリニアなゲームの作成を目指していたものの、Electronic Arts は 10 年前のようにリニアなゲームが市場では求められておらず、採算が合わないと結論しスタジオの閉鎖を決定したとのこと。

Jorgensen は「十分な金額を稼ぎ出すことが出来ないと予測できた時には橋を切り落とさねばならない」と語っている。

EA に対して厳しく皮肉的なメディアも

DSOGは、Electronic Arts がこのような考えを持って Visceral Games の閉鎖を決定したことに驚きはないと伝えている。もはや同社がシングルプレイヤーに興味を持っていないことは明確だったと伝えている。

Electronic Arts だけに限る話ではないが、大手パブリッシャーの多くはプレイヤーから継続的に収益を得ることのできるゲーム内課金に大きな関心を寄せている。

ゲーム内課金は驚異的な利益率を誇っており、Electronic Arts や Activision Blizzard はゲーム内課金を積極的に取り入れることで収益を急成長させ年初来で株価を数十パーセント以上上昇させている。

多大な製作費を投じて、それが成功するかもおぼつかないシングルプレイヤーよりも、Electronic Arts がマルチプレイヤーなどにおけるゲーム内課金を重視したがっていたのは誰の目から見ても明らかだった。

Electronic Arts は既に『Star Wars Battlefront II』での貪欲なゲーム内課金を「やりすぎだ」と批判され炎上しているが、最近買収した Respawn Entertainmentの持つ Titanfall シリーズの新作ではどのような収益化の方法を試してくるのか注視が必要だろう。