経済界から見たゲーム内課金論争

ゲームがゲーマーに対して要求する金額は安すぎる。

ゲーム業界は消費者に熱狂と興奮をもたらすものだが、それを真逆の性質であるビジネスとして俯瞰してみよう。ファイナンシャル・アナリストの視点から見れば、ゲームが消費者に請求する金額はまだまだ安すぎるようだ。

先週発売された Electronic Arts の『Star Wars Battlefront II』は、消費者に貪欲なまでのゲーム内課金要素を実装しているとして大炎上に追いやられている。

しかしながら当の Electronic Arts は投資家向けに「課金要素の一時停止が同社の今年度収益計画に大きな影響を与えることは無い」と明言している。KeyBanc Capital Markets のアナリスト、Evan Wingren はこの説明に賛同だ。

EA の株価下落は一時的との予測

PC Gamerによれば、Electronic Arts の株価はここ 1 カ月で下落傾向にあるが、Star Wars Battlefront II に関連する一連の炎上騒動や株価の落ち込みは「過剰反応」であると Wingren は伝えている。

「Star Wars Battlefront II のような課金要素を実装している企業、Electronic Arts や Take-Two や Activision Blizzard の株を購入することに否定的な意見があることは承知している。確かに Electronic Arts の Star Wars Battlefront II のローンチは成功とは言い難い。しかし我々はゲーム内課金の一時停止は短期的なリスクにとどまると考えている」と Wingren は語る。

ゲーム価格は安すぎる

ゲーマーへの請求金額はまだ安すぎる。現在の炎上騒動は Electronic Arts、スター・ウォーズ、Reddit、ゲーム内課金を嫌うジャーナリスト達による過剰反応で引き起こされた恐慌だ。

CNBC

Wingren は Electronic Arts の株価の落ち込みは一時的であり、現在は押し目買いのチャンスであると考えている。つまり、長期的な視点では企業にとって障害ではないと見ている。

また同時に Wingren は現在のゲームという媒体が、極めて格安で消費者に提供されていると考えているようだ。ゲーム本編に 60 ドル、毎月ルートボックスに 20 ドル。Star Wars Battlefront II を 1 年間に毎日 2.5 時間遊ぶとすると、1 時間当たりの価格は 40 セントになる。1 時間当たり 3 ドルの映画と比較すれば破格だ。

「1 時間当たりのコストで比較をした場合、最もエンターテインメント媒体の中でゲームが安価な媒体だ。ゲームパブリッシャーはゲーマーに割安でゲームを提供している状態であり、価格の引き上げ余地があるはずだ」