ファン活動を重視し配信取りやめ
Blizzard が『Overwatch』のグラフィックスノベル First Strike のキャンセルを発表した。
世界中で多くのファンを持つ Overwatch は、ゲーム内では全てが語られないもののその世界観の背景には膨大なストーリーが詰まった作品だ。そんな Overwatch 世界の歴史の中でも重要な出来事が語られる予定であった First Strike がキャンセルとなった。
当然 Overwatch の新たな物語が明らかになると期待して待ち望んでいたファンたちは悲しんでいるが、キャンセルの理由は Blizzard がファン活動を考慮しての判断であったことが判明している。
VG247によれば、ディレクターの Jeff Kaplan は First Strike のキャンセルの理由について、製作中の内容が悪かったためではないとしている。「アートは美しく、脚本は素晴らしいものだった」
ではキャンセルの理由とは何か。Kaplan は First Strike をリリースすることによってファン活動に制限が掛かってしまうことを Blizzard が嫌ったためだと伝えている。
Overwatch 内で重要な事件として知られるオムニック・クライシスを舞台とする First Strike が公開されることで、それまでファンたちが議論し想像を語り合っていた出来事に対して正解の形を与えてしまう、ファンの想像の余地を狭めてしまうことを Blizzard が嫌ったのだという。
私たちは思ったんだ。「ねえ、私たちがこの道を選んでしまえばその他の可能性は全て潰えてしまうよ」と。
Overwatch は数あるゲーム作品の中でもファン同士による二次創作を通じた交流が盛んなタイトルだが、ファン活動を優先して公式企画を取り下げるという対応は非常にまれなケースだ。今回の出来事は Blizzard の精神性を象徴する出来事だと言えるだろう。