ゲーム業界の労働環境調査

ゲーム業界の労働環境や給与水準などが判明した。

2017 年初めに GI.biz が行ったキャリア調査の結果が報告されている。この調査は完全な匿名の元にゲーム産業での労働条件や賃金など、複数の観点から行われた調査だ。

James Batchelor がまとめた調査報告によれば、調査に回答を行った 80%以上は 1 週間に平均 30-50 時間働いていることが判明した。これは大多数にとってはフルタイムと呼ばれる 1 日 8 時間の勤務からそれほど乖離していないことを表している。

しかし 1 割以上の回答者は週に 50 時間以上働いており、中には 81 時間以上の勤務を主張している。

75%には残業代が支払われていない

このことから分かることは、ゲーム産業では約 90%以上が平均して頻繁に残業することを求められていることだ。しかしそれなのにも関わらず「あなたの雇用主は残業代を支払っているか」との問いに「はい」と回答したのは 4 人に 1 人しかいなかった。

この結果をデベロッパーとして働いているのか、パブリッシャーとして働いているのかに区別して計上すると、パブリッシャーにて働く回答者の方が残業代が支払われていないケースが多いことが確認できる。

  • デベロッパーの 88.8%は残業をしているが、残業代が支払われているのは 29%。
  • パブリッシャーの従業員の 92.3%は残業をしているが、残業代が支払われているのは 12.8%。

残業代が支払われないと聞くと、かなりの過酷な労働環境を想像してしまうものだが、給与以外の追加的なサポートに関しては多くの回答者が十分な支援があると回答している。

52.3%にはスキル向上のためのプログラムが用意されており、73.3%にはフレックスタイム制度が認められているとのこと。他にもヘルスケアや食券やジムなどの福利厚生が 63.2%に対しては用意されていた。

平均所得は約 533 万円

ゲーム産業全体の平均所得は£ 38,797(約 533 万円)、中央値では £38,000(約 522 万円)であった。この数字は最低賃金に届いていない回答者と、平均を歪める恐れのあった超高所得者を除外して算出しているとのこと。

  • デベロッパーの平均所得は £38,181(約 525 万円)、中央値は £38,000(約 522 万円)。
  • パブリッシャーの従業員の平均所得は £46,226(約 635 万円)、中央値は £40,000(約 550 万円)。

性別間の給与格差が指摘される

給与水準における性別間の格差が指摘されている。これはゲーム産業に限定された問題ではないものの、女性の平均所得は £33,274(約 457 万円)となっており、男性の平均所得 £40,090(約 551 万円)と比べて £7,000(約 96 万円)のギャップが指摘が見受けられた。

より詳細なレポートはGI.bizにて公開されている。