同人サークルが 18 禁パッチを Steam 外部で販売開始

Steam にて同人サークル NEKO WORKs の新作『NEKOPARA Vol.2』が発売開始された。

Steam にヴィジュアルノベルが流通し始めるようになったのは2014 年頃だったと記憶しているが、いち早く日本産ヴィジュアルノベルゲームを英語版としてローカライズ販売する活動を始めた Sekai Project や MANGA GAMER などと同じく、NEKO WORKsは Steam 参入にかなりの力を注ぐ国内同人サークルの代表格だ。

ヴィジュアルノベルというジャンルそのものの流通は Steam 上で開始されたものの、同ジャンルの中でも大きな勢力を誇る「エロゲー」分野は、未だに Steam では認められておらず 18 禁表現は厳しく規制されている。

Steam で販売されているアダルトゲーム出身のビジュアルノベルは全年齢版として修正が行われた上で販売されている。

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外部パッチでの 18 禁表現の解除は Steam に認められている

しかし 2015 年 1 月末頃にパズルゲーム『HuniePop』の開発者が Steam を運営する Valve から「我々は露骨な公の場にふさわしくない内容がストアページまたはコミュニティ上ですぐにアクセスできるような状態を望みません。しかしクッションページを経た後であれば、我々は問題ないと判断しています」という見解を引き出した。

これにより外部パッチやその他の方法によって、Steam 上で販売していた全年齢版に対して18 禁表現を解禁したとしても Steam はそれを制限しないことが明らかとなった。

ただちに HuniePop 開発者は外部パッチを配信し、同作品はユーザーが望めばアダルトな表現を楽しめる作品となり話題となっていた。

そして前述した同人サークル NEKO WORKs もこの外部パッチによる 18 禁表現の解禁をサポートする動きを見せている。外部販売サイト Booth にて、NEKO WORKs は新作『NEKOPARA Vol.2』用のパッチとして「【Steam 用 18 禁パッチ】ネコぱら vol.2  姉妹ネコのシュクレ」を販売している。

海外ヴィジュアルノベルはまだまだ発展途上

実際のところ海外デベロッパーが開発し参入し販売している Steam 上のヴィジュアルノベルゲームの多くは日本産のそれと比べてまだまだ発展途上だ。悪い言い方をすればまだまだレベルが低い。

しかしそれでも Steam では世界中のユーザーから喜ばれ、売り上げランキングの上位に食い込む作品となっている。多くの需要が存在している証左だ。

事実として NEKO WORKs が発売した『NEKOPARA Vol.2』は Steam で世界中にファンを生み出し、売り上げランキングでは上位 5 位にランクインしている。Steam 統計情報を集積している SteamSpy によれば前作『NEKOPARA Vol.1』は約 16 万本の売り上げを記録している。

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市場調査レポートによれば日本のアダルトゲーム市場の状況は悪く、年々市場規模は縮小状態にある。

その結果、アダルトゲームでは 8,000 円近くという価格がメジャーな価格帯として根付いている。これは需要と供給の観点から少数のユーザーから高額に販売する構造が成り立っていることが原因だと考えられる。

この構造の長期化はユーザーにとってもメーカーにとっても良くはないだろう。新規のユーザーが増えることを阻害する要因になるからだ。新規ユーザーが増えなければあとは脱落していくユーザーのみで、市場はどうあっても衰退の道をたどることは明白だ。

国内エロゲメーカーの Steam 参入を望む

終わりの見えた現状を維持するよりも、同時接続ユーザー数が 1,000 万人を突破する世界最大の PC ゲームプラットフォームに参入する方が、より明るい未来が拓けてくるのではないだろうか。

日本のアダルトゲームは世界でも通用するはずだ。それは NEKO WORKs の成功を見るに明らかだ。今こそ国内エロゲーメーカーには Steam に旅立ってほしいと思う。全年齢版のみの参入であっても十分世界で戦っていけるだけの力があるだろう。

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