インディー開発者たちのささやかな抵抗

どうせゲームが割られてしまうのなら、それを最大限に利用してみてはどうだろうか?

「ゲームは割られる」、それを止める術はもはや無い。デジタルゲームに対する違法な海賊行為はクリエイターと、彼らの創作物にお金を支払いたくない人々との終わりのない消耗戦となっている。

多くのゲーム開発者たちはその消耗戦に諦め、戦うことをやめているのが現状だ。海賊行為に手を染めるユーザーは、タダでないものにはどんな少額だろうと決して支払うことはないとすら言われている。そして、そういったユーザーへの対策はたびたび正規ユーザーの障害となってしまった事例すら存在する。

しかし、とあるゲーム開発スタジオがそんな違法なユーザーの習性を逆に利用した活動を行い注目を集めている。

ユニークな手法で海賊版ユーザーとの戦いに望んでいるのは Noodlecake Studios。海外メディアが報じた内容によれば、彼らは自社の製品版を故意にファイル共有サイトに流したとのこと。しかし共有サイトに彼らが流したのは純粋な製品版ではなく、違法ユーザー向けに調整されたデータだという。

違法ユーザー向けに流されたバージョンではほぼ無敵な強敵を仕込んでおり、そんな無敵ボス達との連戦仕様だとのこと。ボスたちはプレイヤーにトドメを刺す度に、煽り文句と更正を促すメッセージを言い放つ。

「死んでしまったのかい?でもこっちは海賊行為でもっと死んでるんだ。頼むからゲームを買っておくれ」

海賊版ユーザー向けのバージョンは、しばしば正式版への体験版への働きをするという。違法行為に手を染めたユーザーの内の一人でも製品版を購入するようになれば、それはゲームクリエイター達の勝利だ。彼らのささやかな抵抗は、いつの日か海賊版を根絶させることが出来るだろうか。

他にも海賊版ユーザーに対する抵抗では『Serious Sam 3』の無敵サソリの投入や、『Garry’s Mod』ではエラーメッセージ内に海賊版かどうかの判別コードを混入させ、サポートチームに違法行為がばれてしまう仕掛けなどが実践されている。

via: VG247