Valve が語った日本における Steam を取り巻く状況

2015 年 7 月 11 日に京都にて開催されたインディーズゲームイベント「BitSummit 2015」にて、Steam を運営する Valve 社が講演を行い、日本における Steam を取り巻く状況が伝えられ、思いもよらない報告に注目が集まっている。

昨年には従来の米ドル決済方式から日本円決済方式へと対応し、日本向けのサービス強化を始めた Steam。様々な施策を行っていくことで、日本における収益はおよそ 86%の増加を果たしたことが講演を行った Ricky Uy 氏と Augusta Butlin 氏によって伝えられた。

日本からの売り上げは上位 10 カ国にランクイン

2015 年現在には 1 億 2500 万人のユーザーを抱える Steam だが、6 月時点で公開されたSteam 統計情報によれば日本語使用者、つまり日本人利用者は全体の 1%に満たないことが判明している。

にもかかわらず、Valve から伝えられたのは「日本からの Steam 購入は上位 10 カ国に入ります」という衝撃的な内容だった。

また同時に Valve からは、デベロッパーとしての日本を Steam から見た時に、日本産の作品は Steam で人気上位 100 位のうち 10%を占めていることが伝えられ、日本人ユーザーと開発者の両方が Steam にとって重要な存在となっていることが明らかとなった。

「日本では売れない」はウソだった

以前、国内メーカーである日本ファルコムは、なぜ国内メーカーは日本語版を出さないのかとの質問に対して「単純に売れないから」と返したことが話題となったことがあったが、それは単純に売り方や作品の問題だったのかも知れない。

現実にはわずか 1%にも満たない日本人利用者による購入が、Steam 全体の上位 10 カ国にランクインしていたのだ。Steam の日本における関連事業を手がけるDEGICAが以前語った「Steam を従来市場の延長として考えている企業は売れない」という内容は、まさしく的を射た発言だった可能性が見えてきた。

今回の Valve の講演によって、日本人ユーザーにとっての Steam 環境がより良くなることを期待したいばかりだ。

via: 4Gamer