「君たちには何の価値もない」

Steam をはじめとしたデジタルゲームの大幅な値引きがもたらす悪影響は深刻だ。

イギリスの独立系デベロッパ Puppy Games の創設者 Caspian Prince が「君たちには何の価値もない: インディ PR の闇」と題するコラムを投稿し、そこに書かれたインディデベロッパの悲壮な現実に注目が集まっている。

ChokePointによれば、Price は Puppy Games の発足した 2002 年時点では小規模なデベロッパのゲームは平均して 20 ドルで販売することが可能で、それで利益が出ていたという。販売後にサポート対応を行っても、販売価格のおかげで相殺できた。

しかし、Steam や Humble Indie Bundle が台頭してきたことで状況は一変したと Price は語る。インディゲームの市場価値は約 1 ドルにまで低下し、Steam ストアで 10 ドルで販売していても、大幅なセールを実施しない限りは購入されなくなってしまったとのこと。

「個人レベルで見ると君たちは蟻のような存在だ」

君たちはかつて 20 ドルの価値があった。それからファンになって残り 4 作品をそれぞれ 20 ドルで購入したとすると、100 ドルの価値を持つことになる。

今では、君たちは我々にとって 1 ドルの価値しかない。我々のゲームを全て購入してくれたとしても 5 ドルの価値だ。Valve や税務署、銀行に間引きされるとコーヒーのカップ半分以下の価値しかない。

顧客がいなければ、我々はホームレスになってダンボールで生活する羽目になる。しかし、個人レベルで見ると君たちは蟻のような存在だ。あらゆるデベロッパーに周知の事実だが、公に口にする者はいない。君たちはサポートする価値がない。

顧客は我々にとって蟻のような存在かも知れないが、Valve にとっては我々が蟻なんだ。