1971 年に世界初のアーケードゲーム『Computer Space』が発売されて以降、発展を続けてきたゲーム業界。2020 年はそれから 49 年目という特にキリがよい訳でもない年だが、最近のゲーム業界の統計を振り返ってみよう。

ゲーム業界の市場規模

TechJuryによれば 2017 年、ゲーム業界は 1,160 億ドルを稼ぎ出した。そして 2018 年、ゲーム業界は 1,350 億ドルを稼ぎ出した。2019 年末に公開されたNewzooの予測では 2019 年は 1,488 憶ドルを稼ぎ出すことが見込まれていた。

ここからは未来の予測で、2020 年は 1,600 億ドルを超える市場規模となることが予想されている。Sony と Microsoft の次世代コンソールは 2020 年終盤に発売され、2021 年には 1,801 憶ドルの市場規模に到達するだろう。

その時のプラットフォーム別のシェア率はスマートフォンが最多で 59%、コンソールが 22%、PC が 19%と予想されている。

INTUNE ARCHITECTS

e スポーツの熱狂

e スポーツコミュニティが発達しているゲーム用ライブストリーミングプラットフォーム、Twitch の2018-2019 年の統計では平均同時視聴者数 1,274,000 人を記録した。最高同時視聴者数は 2018 年 8 月の 3,987,461 人。毎日の平均ユーザー数は 1,500 万人とされている。

全世界の e スポーツ観戦者は 2019 年には4 億 6,500 万人になるとされ、人気ゲームのリーグを行い観戦するための e スポーツアリーナが世界中で建設されている。韓国の LoL Park やアメリカの Full Sail Armada のアリーナなどが代表例。

e スポーツの影響力はデジタルの領域だけにとどまらない。世界中の多くの都市は人気ゲームの大会の開催地に選ばれることを望むようになってきている。Riot Games はオランダのロッテルダムにて開催された LEC Spring Split Finals の 2 日間で、地域に 220 万ユーロの経済効果があったとするレポートを発表している。

イベント開催地となる権利への入札はかつて伝統的なスポーツでよく見られるものだったが、今後都市は e スポーツにも惹きつけられるだろう。

高齢化するゲーマー像

かつてゲーマーと言えばテレビの前で孤独に遊ぶティーンエイジャーが想起されたこともあったが、現在のゲーマー像はそれとは全く異なっていることを把握しておくべきだろう。

2016 年の時点で世界中でゲーマーは25 億人を超えていた。アメリカ人の 60%は毎日ゲームをプレイしており、世帯の 64%はなんらかのゲーム用デバイスを所有している。

ESA が行った調査ではゲーマーの平均年齢は 34 歳で住居と子供がいる。性別で見れば男性の平均年齢は 34 歳、女性は 36 歳。そしてゲーマーの 72%は 18 歳を超えている。比率で言えば 18-35 歳が 29%、36-49 歳が 20%、50-歳が 23%となっている。

ゲーマーの第 1 世代はすでに親となる年齢となっていることもあり、親の 67%は週に 1 度以上子供とゲームをプレイしている。

via Jessica Lewis

興味深い属性別の特徴

ゲームを購入する人々の教育レベルを見れば、最もゲームを購入しているのは高校を卒業した人々で 18.5%。準学士号の所有者が 16.9%、学士号の所有者が 14.7%となっている。学位が高い人ほどゲームを購入しなくなる相関がみられた。ただし相関関係と因果関係は異なるため注意したい。

ゲームを購入する人々の割合は平均 12%であり、その割合は年収に関わらずほとんど均一だ。しかし年収が 90,000 ドルを超えた場合、9%に低下している。そして歯科医は数ある職業の中でも最もゲームを購入しない職業であり、5.8%であった。

いずれにせよ言えることは、ゲームは日常に溶け込みつつありティーンエイジャーだけのものではなくなっているという事だ。幅広い年齢層と歩んだ人生の軌跡の多様性が現在のゲーマー像となっている。