課金状況で変化するマッチメイキング技術、ルートボックス、対照的な各社の姿勢

課金要素の有無を宣誓するデベロッパーも出てきた。

賛否両論のマイクロトランザクション要素

ゲーム開発者が発売前に行う宣誓の言葉に、新たな例文が追加された。

日本では特にソーシャルゲームの分野で大きく問題視された”課金ガチャ”。それに非常に似通ったシステムである”ルートボックス”。広義でのマイクロトランザクション要素は、既に海外産の大手ゲームでもよく見かける存在となってきた。

ルートボックスは大抵の場合、プレイヤーが課金することでボックスを入手することが出来、ボックスからゲーム内アイテムを入手することが出来る。入手できるアイテムはランダムであり、ガチャに似通っているといわれるゆえんである。

最近の例で言えば『Overwatch』ではトレジャー・ボックスという名称でキャラクターの外観などを変更できる仕組みを取り入れたし、『Star Wars Battlefront II』ではクレートという同様の仕組みを導入した。『PlayerUnknown’s Battlegrounds』の課金要素も売買が盛んで盛り上がりを見せている。その他にもオンラインでのマネタイズに比重を置く多くのゲームに同様の物が見受けられる。

トレジャー・ボックス – Overwatch

これらルートボックスの中には、俗に課金アイテムと言われる”強い”アイテムが手に入る仕組みの物もある。これは課金ユーザーがそうでないユーザーよりも有利となるPay to Winの構造であると批判を呼んでいる。実際に海外大手メディアのいくつかは、表立ってルートボックスへ批判的な姿勢を見せ始めている。

マッチメイキングと課金に関する特許も出現

さてそんな緊迫感を孕んだ情勢下の中で、マイクロトランザクション要素の導入に意欲的なActivisionは、新たにマッチメイキングに課金要素を関連させる特許を取得し話題を呼んでいる。

この特許技術を採用したゲームは現在のところ存在していないが、特許の概要としてはマルチプレイヤーモードを備えたゲームにて、より多くのユーザーが課金をしたくなるように誘導する仕組みと言える。

doopeの解説によれば、従来は各プレイヤーのスコア評価からマッチメイキングを行っていた部分で、新たに課金履歴の分析を導入するという。

例えば既に課金を行い華々しいプレイヤーと、まだ課金を行っていないプレイヤーをマッチメイキングすることで、潜在的に課金アイテムを意識させ購入を検討させるというものだ。

Activisionの新作『Call of Duty: WWII』

わざわざ非実装を明言するデベロッパーも

Activisionのようにマイクロトランザクション要素を積極的に探究しているデベロッパーがいるのと対照的に、積極的にそれを排斥しようとしているデベロッパーもまた存在している。

スウェーデンのデベロッパーであるFatsharkは、新作『Warhammer: Vermintide 2』の新情報公開に伴い、ルートボックス要素の非実装宣言を行っている。

いわく「ルート(分け前)はゲームプレイから得るもので、ユーザーの財布から分捕るものではない」とFatsharkは海外フォーラムで宣言している。

各社のレビュー情報を集めるOpenCriticでは、新たに評価項目にゲーム内の課金要素について新設を検討すると発表していることからもユーザーからの関心事としてマイクロトランザクション要素の扱いは重要となっている。

先日には閉鎖が決定したVisceral Gamesは『Dead Space 2』で400万本を売り上げたものの、開発費高騰によって「無慈悲」な結果に終わっていたことを明かすなど、ゲーム業界におけるマネタイズの難しさが顕著となっている。

そういった背景を踏まえてマイクロトランザクション要素の功罪、今後について注視する必要がありそうだ。