Steam の返品率は実は高くない

PC ゲーマーが過剰な返金行為を行っていると誤解されている。

先日 DAMONGE では、Valve が新たに公開した Steam Support Stats のデータを基に日々サポートチームに寄せられている返金リクエストの件数に関する記事を公開した。

当該の記事 Steam は 1 日約 50,000 件の返金対応を行っていることが判明“では、Steam が日毎に 5 万件の返金リクエストをユーザーから受け取っている事実について述べ、外部メディアでも取り上げられているのだが、一部では「PC ゲーマーの民度」や「返金件数が多すぎる」といった反応が見受けられる。

この反応について実態に対する誤解が含まれていると感じたため、訂正しておきたい。

返金リクエストは約 3.5%でしかない

実際として Steam では 1 日に約 50,000 件の返金対応を行っている。確かに、この数字だけを単体で見れば返金が多いと感じてしまうかもしれないが、それは正しくない。

なぜなら Steam は世界有数の巨大ゲームプラットフォームであり、今年初めには同時接続ユーザー数が 1,400 万人を突破した巨大市場であるということを見落としているからだ。

要するに、50,000 件の返金対応など Steam で 1 日に販売されるゲームの本数と比べれば微々たるものだということだ。Steam は 1 日に約 1,400,000 本のゲームを販売していると言えば、特に返金が多い訳ではないことが伝わるだろうか。

1,400,000 本の販売に対する 50,000 本の返品は、割合で言えば約 3.5%でしかない。この割合を見て、もう一度返金リクエストが多すぎるのか、PC ゲーマーの民度が劣悪なのかを考えてみて欲しい。

※日毎販売本数は Steam 統計サービスSteamSpyを用いて、2017 年 3 月 1 日から 4 月 30 日の期間中の総販売数を日割りして算出した。データ収集方法の関係上、実際の販売本数はさらに増加する。