「おま国」行為が独占禁止法違反の疑いで調査開始、居住地によるブロッキングが争点

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EUでおま国が独占禁止法の疑い

欧州委員会は2月2日、Valveを含む5つのゲームパブリッシャについて、反競争的行為を行っている疑いがあるとして調査を開始すると発表した。

Eurogamerの報道によれば、委員会は企業が消費者が国境を超えて商品を選択する権利を妨げているとしており、EUの独占禁止法に違反している可能性を調査するとのこと。

この疑いはValveなどのパブリッシャの間に存在する協定がゲームの販売価格を不当に制限していることを疑ったもので、国籍または居住地によって顧客の選択を妨げることを禁止した競争法違反を根拠としている。

調査の対象となったパブリッシャはValve、バンダイナムコ、カプコン、Focus Home、Koch Media、Zenimax。

アクティベーションキーの地域による制限が争点

消費者の居住地や国籍による排他(ジオブロッキング)、具体的にはその情報に基づいて企業がデジタルコンテンツをブロックする行為が調査される。日本では「おま国」と呼ばれている行為。

委員会はValveとその他のパブリッシャの協定が、ジオブロッキングの目的でアクティベーションキーが用いられていたかどうかに焦点を合わせているようだ。

例として、ユーザーが自身のローカルアカウントと異なる地域IDでゲームを起動しようと試みた際、Steamからエラーメッセージが送信された場合は、欧州委員会の定める独占禁止規則に違反していることを意味している。

欧州委員会のMargrethe Vestager委員の声明によると、海外ストアにて購入したゲームのアクティベーションキーが、居住地域を理由に受け付けられない場合がこれに該当するとのこと。

Valveのゲーム配信プラットフォームSteamでは、ユーザーが購入したゲームが正規のもので海賊版ではないことを確認するために”アクティベーションキー”を使用している。

今回の調査では、Valveとパブリッシャ間に結ばれた協定においてアクティベーションキーがジオブロッキングの目的で使用されているか、または必要とされているかが争点となる。

アクティベーションキーが特定のEU加盟国(チェコ共和国やポーランドなど)の消費者のみに購入したゲームへのアクセスを許可する場合、これはEU単一市場における”並行輸入”の妨害と見做されれる。

消費者が他の国で利用可能な、より安価なゲームを購入することを阻止することは、国境を越えての市場競争の機会を減らす行為であり競走法に違反する可能性がある。

日本への影響は不明

欧州委員会の調査は正式に2月2日より開始されたとのこと。調査期間に期限は設けられておらず、最終報告の時期は未定だ。

この調査は欧州における行為を調査するもので、仮に欧州における独占禁止法違反の認定が為されたとしても、日本におけるおま国がどうなるのかは不明だ。

しかし喜ばしいことだ、日本にこの件が影響するとすれば恐らくより消費者に有利な状況となるだろう。

Vestagerによれば欧州委員会はビデオゲーム産業以外にも、ASUSをはじめとする家電メーカー、ホテル業界についても同様に競争法違反の調査を行うとのこと。