Amazon Games が開発中の新作 MMO RPG『New World』にて、7 月 22 日に一部の GPU が破損するとの報告がなされニュースとなっていた。対象となる GPU は EVGA 製の GeForce RTX 3090 とされ、Reddit などで同様の報告が複数行われていた。この件について EVGA が調査結果を発表している。

EVGA が調査結果を報告

EVGA の発表によれば故障の原因は当初指摘されていたファンコントローラーに起因しておらず、一部カードの MOSFET(トランジスタ)に不適切なはんだ付けが行われていたことが原因であったという。この調査は X 線を用いて行われた。対象となるカードの製造時期は 2020 年の初期ロットであったという。

当時の GPU が破損したという報告の多くでは New World のプレイ中に GPU の冷却ファンが 100%の出力で回転をはじめ、画面がブラックアウトしそのまま PC から GPU が認識されなくなるというもの。再起動後も復旧しない状態になる事例も報告されていた。

EVGA はこの事象が話題になった際に影響を受けたゲーマーに対して RTX 3090 の代替品を不具合品の到着を待たずに送付する対応を行ったが、PC Gamerによれば New World の β 版プレイ中に故障したために返送された RTX 3090 の数量は約 20 台だったとのこと。正確な販売台数を EVGA は公開していないが、先述した欠陥を抱えるカード数は全体の 1%以下とされる。

New World における冷却ファンの異常回転の問題は、フレームレート制限のオプションを有効にすることで対応されたためファンコントローラーに原因があるという説が受け入れられていたが、EVGA は調査結果をもって初期に噂されていたファンコントローラー原因説を否定している。

PCWorldによれば EVGA のスポークスマンは GPU-Z や HWiNFO といった著名なサードパーティ製の解析ツールがファンコントローラーからのデータを誤って解釈していることも指摘している。I2C バスに由来するノイズをそれらソフトウェアはファンコントローラーの障害として検知してしまっていたという。EVGA の独自ツール「Precision X1」ではノイズの補正が行われた結果を解釈できているとのこと。EVGA はマイクロコントローラーの更新を行ったため、これらソフトウェアはアップデート適用後に正しく解釈を行えるようになると見られる。

渦中の作品となった New World は 9 月 9 日にオープンベータを行い、9 月 28 日にリリース予定。