多すぎるSteamのゲームは問題なのか?

Valveが運営するPCゲームプラットフォーム「Steam」。今日ではSteamには毎週もしくは2週間に、平均して少なくとも55本のゲームが新たに登録されている。Steamの年間ゲーム増加数は2013年には561本、2014年には1,814本を記録し、7ヶ月が経過した2015年現在では既に1,592本が追加され去年の増加ペースを大幅に上回っている。Steamにはゲームが氾濫していることに疑いの余地はない。

しかしこれは本当に問題なのだろうか。

Steamライブラリの増加数の成長は、Steamの12年間の歴史で現在が最高潮である。その増加率と並んでゲーム総数も増加の一途を辿り、Steamに登録されているゲーム総数は現在5,600本を超えている。その膨大なゲーム本数について、最近では魅力あるゲームが埋もれゆく問題が指摘され始めている。

どのようなゲームでも受け入れSteamに追加していくValveの姿勢は、品質コントロールを放棄していると指摘されている。

Spiderweb SoftwareのJeff Vogel氏は、このままではSteamが単なるApp Storeとなりかねないと警鐘を鳴らす。どうでもいいような携帯ゲームの移植版や、粗製乱造されただけのゲームが次々とSteamに増殖していく現状を放置しても良いのかとVogel氏は問いかける。

「サードパーティによる低品質ゲームソフトの乱発がアタリの市場崩壊を招いた」、アタリショック当時の任天堂社長の山内博氏のコメントだ。現在のSteamの飽和するゲームと無数の開発者たちの参入する状況は、アメリカにおける家庭用ゲーム機市場が崩壊し長らく低迷した「アタリショック(Video game crash of 1983)」を連想させる状況へと傾きつつあると語られることがある。

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小規模デベロッパーは現状をどう考えるのか

現在のSteamにどう思っているかに関係なく、間違いなく最も影響を受けるのは小規模なデベロッパーたちだ。

Larian StudiosのCEOを務めるSwen Vincke氏は、最近のSteamはデジタル販売が流行る前の状況に戻りつつあると語るが、それが全て悪いことではないという。Vincke氏は、これまでゲーム販売ルートがパッケージとデジタルに別れていた時には単に目立っていなかった弱小会社にとっての販売障壁が、デジタル販売が主流になったことで再び見えるようになっただけだと語った。

どのようにお客となってくれるゲーマーに、自社のゲームを知ってもらうかを深く考えなくともゲームに触れてもらえた時期が終わり、従来と同じように他の競争相手に比べてどのように広報するかを考える必要が出てきただけだとVincke氏はコメントしている。

海外メディアPC Gamerが取材を行った他の小規模デベロッパーの多くは、今後PCゲーム市場がゼロサムもしくは一人勝ちの市場にはならないだろうとの考えを持っているようだ。

Mode 7のPaul Kilduff Taylor氏は「確かに多くの圧力を感じてはいる」としながらも、PCゲーマーを信じると語った。「PC市場には大きな集団がいる、我々が作るゲームを望んでくれる集団がね。我々が我々らしく作るゲームを望んでくれる限り、これからもゲーム開発を続けていくよ」

ゲームメディアGameSpotにて10年間務めていたGreg Kasavin氏は、今後のPCゲーム業界において多くのゲームが出現する未来は、確かに多くの挑戦が待ち受けているとしながらも、少数の勝ち組が業界を支配してしまうよりは良い未来になると語っている。

via: PC Gamer