現在のゲーム業界の構造は革新さを殺している?

海外ゲームメディア記者のZoe Hawkinsは、現在のゲーム業界の仕組みがゲームから真新しさを奪っていると話す。

「最近のゲームには真新しさがない、どれもこれもがなにかの反復的な作品で、私たちは常に何かユニークで革新的な作品の登場を待ち焦がれている。しかし、実はそんな私たちこそがゲームから革新的な作品の登場を阻んでしまっているのではないだろうか」

イギリスのゲーム開発者であるPeter Molyneuxは、海外のゲーム業界では誇張した革新さと経験をユーザーに約束してしまう人物として知られている。

つい先日には氏が開発中の『Godus』が2年以上も制作が遅れている件で、「自分が嘘つきだという自覚はありますか」などと海外メディアにより激しく非難され話題となっている。

HawkinsはそんなMolyneuxを例に、擁護するつもりではないと前置きした上で、当然Molyneuxに非があるとはいえ、「我々ゲーマーサイドも革新的な作品を生み出す環境を壊していたのではないか」と疑問を投げかけた。

「昨今のゲーム開発者は、なるべく早くそれも頻繁に開発中のゲームを公開することがユーザーによって求められている

追い立てられながらのゲーム開発

Hawkinsは近年ゲーム開発の現場において流行している早期アクセス制度を挙げ、ゲーム開発者は常にユーザーコミュニティに追い立てられるようにゲームを開発しなければならなくなっていると語る。

「何ヵ月にも及ぶ沈黙はプロジェクトが破綻しているか、開発が難航していることを意味している。その一方で、ゲームに期待するユーザーコミュニティはゲームが開発中のあらゆる段階であっても状態の開示を求め、まだまだそれが未完成であっても批評を繰り広げ、普遍的な遊べるゲームとしての機能やモードの実装を要求する」

Hawkinsは『XCOM: The Bureau』を例に、作品が開発の初期段階において公開された際、大胆なゲーム性の変更などを目にしたファンから失望と怒りの声がわき起こり、ゲームが完成へと近づき大々的な宣伝が行われた後でも、その当時の評価を信じ込んだままのユーザーが多くいたと話す。

ゲームの開発状況をユーザーに開示するバランス調整は非常に難しく、いちゲーマーとしても大きな葛藤のある問題だとHawkinsは語る。「これから出てくるゲームがどれほどの進化を遂げたのかを知っておきたい欲求と、トレイラーなどで新情報を知ってしまわず、いざゲームを手にとって初めて進化したゲームの凄さに驚きたい欲求の板挟みが存在する」

この矛盾したゲーマーの感情こそが、ゲーム業界にとって革新的なゲームの誕生を阻害するゲーマー自身にとっての敵となっているかもしれないとHawkinsは結論している。

これに対して海外ゲーマーからは「良いゲームが革新的であるとは限らない。新しいものを求めたゲームは往々にして凡作となる」「良いゲームが革新的である必要はないが、最近のゲームはヒット作を模倣しすぎている」「CoD:AWを見れば分かるように、コアなファンってのは革新さを否定するものだ」などのコメントが寄せられている。

ソース:lazygamer.net, GameSpark