アジアオリンピック評議会が「eSports」をメダル種目に採用、ただ各国ごとの熱気はバラバラだ

eSportsは現在、中国と韓国の2強時代だ。

eSportsをアジアオリンピック評議会がメダル種目として採用

競技スポーツとしての分野「eSports」はここ数年で大きく変わった分野の一つだ。

eSports競技人口は年々記録的な上昇を続けているし、国際大会で優勝したことで一夜にして億万長者へと昇り詰めるプレイヤーも現れた。また、その莫大な賞金を狙ってドーピングを行う者も問題視されるなど実際のスポーツ競技と変わらぬ過熱ぶりだ。

そして2017年の本日、アジアオリンピック評議会は2022年に開催されるアジア競技大会においてeSportsをメダル種目として採用する意向を公式サイト上にて明かした。

2018年にインドネシア・ジャカルタで開催される第18回アジア競技大会にてデモンストレーション・イベントとして採用、2022年に中国・杭州で開催される第19回アジア競技大会にて本採用となる見込みだ。

MOBAやRTAが競技種目に

アジアオリンピック評議会の公式サイト上では「Electronic Sports」のカテゴリーが存在し、公式声明によれば種目の例としてFIFA 2017やMOBA、RTA(リアルタイムアタック)などが挙げられている。

今回のアジアオリンピック評議会の動きについてはAlisportsという組織が大きく貢献したと考えられている。この組織は世界有数の大企業である中国のアリババグループ傘下にあり、グループは2018年より国際オリンピック委員会のワールドワイドパートナーとなることも発表されている。

アリババグループのeSports事業における地盤固めにとって、メダル種目への採用は効果的に働くことだろう。

AlisportsのCEOを務めるZhang Dazhongは今回の発表について「多くのスポンサーへの窓口を提供し、アジアのゲーム市場価値を最大化していく」とコメントしている。

各国のeSportsの熱狂度には大きなムラ

さてeSportsが近年爆発的に情勢が変化しているとお伝えしたところだが、eSports賞金額から見る各国の温度間には大きなムラがあることも触れてみたい。

E-Sports EarningsというeSports大会における各国選手の獲得賞金統計サイトを基に、アジアオリンピック評議会の加盟国ごとの熱気を調べてみた。

2016年における獲得賞金の合計をグラフにすると以下になった。

国別の獲得賞金比率(2016)

国別の獲得賞金額(2016)

中韓で8割を占める2強状態

アジアオリンピック評議会加盟国の加盟国について、国別に2016年の獲得賞金額とその比率を調べてみたところ、獲得賞金総額は約42.5億円だった。

そしてそのうちの約80%にあたる約34億円が中国と韓国の選手が獲得したものであった。日本は0.9%であった。

アジア競技大会にてeSportsが正式な種目に採用されることは間違いなくゲーマーとして嬉しいことではあるものの、やはり少し各国の熱の入りように大きな差があるように感じる点は気になってしまうところ。

日本に関しては以前話題になったように、賞金制大会における景表法による制限があるためタイトルによっては開催方法を工夫しなければ大規模な賞金を用意することが出来ない事情がある。

元BlizzardのRob Pardoは2014年の時点で「eSportsはオリンピック競技になれる」と語り、2016年にはイギリス政府肝いりのeSports世界大会が計画され、多くのゲーマーたちが夢見た時代への進行はもはや止まらない。

先述した国内の課題など多くの障害があるとは思うが、アジア競技大会が見直しのきっかけになっていってくれれば嬉しい。