
Mafia IIIがテロリズム賛美と批判
『Mafia III』がテロリズム賛美の論争に取り込まれようとしている。
ChokePointによれば、本作における北アイルランド情勢に関するセリフや、対英テロ闘争を行ったアイルランド共和軍(IRA)に関係するミッションが登場したことに、ユニオニストから批判が集まっている。
北アイルランド紛争に言及した結果
北アイルランドでは、同地をイギリスの一部として維持すべきというユニオニストと、アイルランド共和国と統一すべきというナショナリストが激しく対立する政治問題を抱えている。
1968年のニューオーリンズを舞台としたMafia IIIが、こうした時代背景についてゲーム内で触れたことで、本作もまた北アイルランド問題へ引きずり込まれるようになった。
テロ攻撃への加担描写が問題点
問題となったのは”IRA Don’t Ask”というサイド・ミッションで、プレイヤーは自動車を盗むよう依頼される。ここで盗まれた自動車は後にベルファストでの爆弾テロに用いられ、プレイヤーはIRAのテロ活動に間接的に加担することとなる点が批判の的となっている。
ユニオニストの民主統一党に所属する下院議員Jeffrey Donaldsonは、Mafia IIIのパブリッシャである2Kに対してゲームの回収を要求している。
IRAは北アイルランドやイギリスの各地で、罪のない多くの人々を殺害してきたテロ組織だ。これは単なるフィクションだと言うかもしれないが、罪のない被害者たちの苦しみや全てのテロリズムの悪を矮小化することに繋がってしまう恐れがある。
“本物”か”矮小化”か
北アイルランドの政党である、伝統的ユニオニストの声の代表Jim Allisterも、本作がテロリズムを賛美していると批判コメントを発表している。
「実在するテロ組織の名称をこういった形で使用するというのは、このゲームで描かれているような行為の直接の被害者に対する思いやりに欠けている。このゲームにおけるIRAの扱いは、IRAの爆弾テロに苦しめられた人々を酷く侮辱するものだ」
2Kと開発元のHangar 13はこの件について沈黙を守っているが、両社は以前本作について「本物」の体験を作ると宣言しており、このような反発も想定の範囲内であったのではないかと感じる。