“不適切な動画”の基準でトラブル

YouTubeと動画投稿者の間で激しい摩擦が起きている。

YouTubeには動画投稿者が自身の動画に広告を掲載することで、広告収入を得ることができるプログラムが存在するが、それに不適当とする動画の選定基準が反発の原因となっている。

Varietyによれば、騒動は広告を削除された動画投稿者がTwitter上で不快感を表明したことから始まっており、Twitter上の#YouTubeisoverpartyにて論争を目撃することができる。

YouTube上で450万人のファンを抱える人気YouTuberのPhilip DeFrancoは論争に参加している一人だ。彼は動画にて「不適切な言葉」もしくは「物議を醸す事件や影響の大きい問題」について触れていたと判断されたことで、投稿していた12の動画から広告が削除された人物。広告の削除はYouTubeの”広告主に適したコンテンツのガイドライン“に抵触したことが原因とされている。

広告の掲載に不適切と見なされるコンテンツ

  • 半裸や性的なユーモアを含む、性的なものを暗示するコンテンツ
  • 大けがや過激な暴力主義の表現を含む、暴力
  • 嫌がらせ、冒涜、下品な言葉を含む、不適切な言葉
  • 薬物や規制対象物の販売、使用、乱用を含む宣伝
  • 戦争、政治紛争、自然災害、死亡など、物議を醸す事件や影響の大きい問題(生々しい画像が表示されていない場合でも)

「事実上の検閲行為だ」

DeFrancoは新たに投稿した動画にて、YouTubeには広告ポリシーを定める権利があるとしつつも「収益を奪うことでの事実上の検閲行為だ」と批判している。

一部ユーザーからは今回の騒動はYouTubeの広告ポリシーが改訂されたことによるものだとされているが、YouTubeは広告ポリシーの改定を否定している。実際にWebArchiveを確認しても2015年6月時点と差異がない。

問題の広告ポリシーは以前から存在した

YouTubeは一連の騒動に関して、広告ポリシーの改訂ではなくユーザーへの通知プロセスを変更したと返答している。これまでポリシーに違反する動画があったとき、動画投稿者はビデオのアナリティクス・ダッシュボードを確認する必要があったが、最近に電子メールと通じて警告を送信するよう通知プロセスをしたと説明している。

YouTubeの例示する「広告の掲載に不適切と見なされるコンテンツ」には、戦争や政治紛争や事件に関する言及や下品な言葉などを含む動画が挙げられており、恣意的な運用の可能な定義に反発する声も見受けられる。

Twitterユーザー@mombotは「インターネットは言論の自由が存在する最後の場所ですが、もしYouTubeのような企業が、反政府的な意見を検閲し続ければ、この最後の聖域が消えてしまうかもしれない」と警鐘を鳴らしている。

聖域の消滅は現実になりつつある

余談だが日本では特に何ら法的な制限を受けることなく未成年者でも購入が可能な『DEAD OR ALIVE』シリーズについて、Googleは以前アダルト商品とみなす通知をDamongeに行っており、実際にGoogleは同シリーズ関連ページから全ての広告を撤退させるよう要求してきた。

インターネット上の何が良くて何が悪いのかの判断基準が一部の企業によって左右される状況が、現実のものとなりつつあるのかもしれない。