イギリスのEU離脱が及ぼす影響とは

23日にイギリスで行われた欧州連合からの離脱か残留かを問う国民投票は、離脱派が勝利を収めることが確実となった。

“Brexit”と呼ばれている今回の問題の結果がイギリスのゲーム産業に対してどのような影響を及ぼすのか、Eurogamerが報じている。

知っての通りイギリスは多くのゲームパブリッシャやデベロッパの本拠地が集結する、世界有数のゲーム大国の一つであるが、イギリスに拠点を置いていた外資系のゲームデベロッパは今回の投票を受けてどのような影響を受けるのだろうか。

Vote leave supporters wave Union flags, following the result of the EU referendum, outside Downing Street in London

スキルを持った開発者の流動性低下

イギリスのゲーム関連団体UKIEによれば、まず今後数ヶ月は海外の才能ある人材の確保と国内人材への投資、資金調達の面で影響が発生する見込み。今後多くの要素について不確実性が付きまとうことになることは確実だ。

UKIEの元議長であるAndy Payneは「いずれにせよ我々にとって不確かで厳しい時代となる」と語っており、これまで欧州連合の一員であったことによってスキルを持った開発者が自由に移動できていた前提が崩れることによる影響を懸念している。

イギリスでの投資活動の縮小

また、これまでイギリスにオフィスを設置していた大パブリッシャが、今後同国オフィスへの投資を縮小する可能性が懸念されている。

Microsoftやソニー、EAやUbisoftといった多くの外資系企業についてPayneは「多国籍ゲーム企業は、今後見通しがしづらくなるイギリスにおける投資活動を減らす可能性がある」と話した。

IHS TechnologyのPiers Harding-Rollsは短期的には影響がないように見えるかも知れないが、長期的には大きな問題となる可能性に触れている。

「欧州連合から完全に離脱するには少なくとも2年の猶予期間があることから、短期的には平常通りに見えるだろう。しかし今回の投票結果が引き起こす混乱は欧州連合中からスキルを集めていたイギリスに拠点を置くゲームデベロッパの能力を徐々に蝕んでいく可能性がある」

ゲーム販売価格への影響

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国民投票の結果が明らかになるにつれて、英ポンドの価値は急落しており、イギリスにおけるゲーム価格の急変も予測されている。

イギリスにおいて英ポンドのレート変動は価格設定にダイレクトに結びついているため、まず間違いなくゲーム関連の価格設定に対しても影響がある。Harding-Rollsは「価格設定への影響は、為替の混乱が長期間続くかどうか、この急落がどれくらい取り戻されるかに左右される」としている。

英ポンドの急落した状態が続けば、イギリスに暮らす人々にとって他の海外製のゲームは高騰した価格に感じられるが、逆に海外の人々にとってイギリスで販売されるゲームは自国で購入するよりも安く購入できる可能性がある。

いずれにせよ、以前のゲーム業界はマニアによって市場の中心が形成されており財政的な混乱に対して比較的強かったものの、2008年以降急激に裾野を広げたことで、これまでになく混乱の影響を受ける可能性が指摘されており、Harding-Rollsは今後も注視が必要だと述べている。